01 トレーの朝
小さなセルの中に並んだ双葉。
まだ頼りないけれど、なんとか発芽はしたようだ。
「ハクサイ」「キャベツ」と書かれた赤い文字が、少しにじんでいる。
期待しかない。希望しかない。そんな時間は素敵だ。
ここから、モヤモヤする季節が始まった。

02 ポットの日々
トレーの底が乾くたびに、霧吹きをかけた。
それでも日差しは強く、風は熱を運んでくる。
暑さ、乾き、虫。何度も枯れかけた。
なにより、期待が薄い(笑)。
けれど、土の中で白い根が伸びていた。
ポットに移そう。
ポットの中で静かに頑張っている姿を見て、
まだ終わっていないと思った。
03 プランターの時間
少し風通しのいい場所に移した。
土の匂いが変わる。空気の温度も違う。
葉の形がしっかりしてきて、朝には水滴を弾くようになった。
雨の日の朝、濡れた葉の上で光がゆれる。
あの1ポットだけの株が、いまも静かに生きている。
キャベツの小さな苗たちも、プランターで。
少しずつ、けれど確かに根を張っていた。

04 畑へ移す時をよむ
土を掘り、風を感じながら植えつけようと思う。
もうここまで来たのだと思う。
プランターの底で丸まっていた根が、自由になる時だ。
待ちわびた時。
広い土の中で、新しい呼吸を始める時だ。
失敗と残骸の中から、いくつかの芽が残った。
その少なさが、かえって静かに胸に響く。
夏の熱をくぐり抜けた葉が、秋の風に揺れている。
それだけで、十分だと思った。
百均の種の特徴とメリット
●とにかく安い(2袋で100円など)
・量が少なく、少しずつ試したい人に最適。
・市民農園・ベランダ菜園などで「いろんな種類を少しずつ」まきたいときに便利。
・失敗してもダメージが少ないので、実験的な栽培や比較にも向く。
● 定番・育てやすい品種が中心
・キャベツ・白菜・小松菜・ラディッシュ・枝豆・ミニトマトなど、
・発芽しやすいイメージがある
●上手に使う
・一度に全部まかず、時期をずらしてまく。
→ 天候に左右されにくく、どれかがうまく育つ確率が上がります。
・予備ポット育苗+直まきの両方で試す。
→ どちらがうまくいくか比較でき、可能性も広がります。
・そのシーズンで使い切るように心がける。
→ 種の量が少ないので、ちょうどいいボリューム感です。
●気軽に始めたり挑戦したり
・百均の種は、コスパだけでなく「気軽に始められる実験素材」。
・季節や土、地域との相性を知るための“観察ツール”としても優秀です。
・空いた時間や畝の隙間を埋めてくれる、頼もしい存在でもあります。



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