キヌサヤの定植と冬越し前の判断|Kinusaya Peas Before Winter

住宅跡地(Ruins)

■ この記事の献立
場所:住宅跡地(横浜)
季節:2025年12月
作業:キヌサヤの定植
道具:黒マルチ、移植ゴテ、ジョウロ
背景:ポットで育ててきた苗を、冬越し前に畝へ下ろす
関連リンク:キヌサヤの芽が出て来ました|直播きとポット育苗、どちらも試してみる


■ 苗の状態

本葉は5〜7枚ほど。
巻きひげが伸びはじめ、「掴む場所」を探すような仕草が見える。

徒長はなく、葉色も穏やか。
今は、上へ伸びるより下で準備を進める段階だ。

■ 根鉢を見て、判断する

ポットから外した根鉢は、白い根がぐるりと回っていた。

崩さず、そのまま。
この時期は、触らない勇気が正解だと思う。

根は、すでに「外へ行く気」を持っている。
畝に置いてやるだけでいい。

■ 黒マルチの意味

黒マルチは、保温と防草。
それ以上に、冬のキヌサヤにはリズムを一定にする役割がある。
冬を越えるための、静かな下支え。

昼夜の温度差をなだらかにして、
「急がなくていい」と伝える装置。

■ 畝に立った姿

定植後、苗は静かだ。
変化は少ないが、悪くない。

この作物は、
冬に目立たないほど、春に伸びる。
春先に苗を植えるよりも
冬を越えた方が実の付きが良い気がする。

■ 直播き(右)とポット(左)


並べて見てみると、
正直なところ、大きな差は感じられない。

ポット苗のほうが、わずかに立ち上がりが揃っているようにも見えるが、
直播きの株も、葉色・勢いともに遜色ない。

この時期のキヌサヤにとっては、
「どう育てたか」よりも、
今どんな環境に置かれているかのほうが重要なのだと思う。

直播きは、根がそのまま土に伸びる。
ポット育苗は、タイミングを選べる。

それぞれに理由があり、
結果は、今のところほぼ横並び。
差が出ないことも、ひとつの結果だと思っている。

■ 畑の作文

冬の畑は、結果が見えない。
だからこそ、作業は信じる行為になる。

12月、私たちは、これから訪れる本格的な冬の寒さに身構えている。

根は土の中で、もう春を知っている。
春を信じている。
地上が黙っているあいだに、
準備は、確実に進んでいる。

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