レモンのための桑の伐根と土手の補修|The First Step in Creating a Lemon Orchard

レモン畑(Lemon Field)

■ この記事の献立

場所:市民農園(鎌倉)土手
季節:2025年12月
作業:クワ(桑)の伐根
道具:ノコギリ・クワ・スコップ
背景:小川沿いの土手をレモン畑に再生するためのメンテナンス
関連リンク:斜面のレモン|クワを抜いた日と、親愛なる迷い。The Day I Uprooted a Mulberry, and My Dear Uncertainty


この記事は、果てしなく地味です。
先週に続き、今日は 2本目のクワの伐根。
ただひたすら、土手と向き合うだけの数時間です。

AM9:00–AM11:30。
到着は8:30。
霜が降りて、土手は白く息をしていた。
前回の伐根で斜面がわずかに抉れているように見えた。
その端に、クワの幹が、まだしつこくへばりついている。
いや、こちらが、圧倒的に当然である。

今日もまた、斜面での格闘が始まる。

掘って、切って、揺らして。
それを何十回も繰り返すだけの、狂気のリフレイン。
桑の根は、土手そのものに組み込まれていて、
揺らしても、刃を入れても、びくともしない。

途中で鍬が折れた。
完全に、桑に負けたと思った。

それでも、手を止める理由にはならなかった。
気づけば90分が過ぎていて、
そのとき、ようやく根が「ふっ」と緩んだ。
土手が静かに沈み、2本目のクワが抜けた。
よかった。

掘り終わって見上げたとき、
土手が思った以上に削れているのがわかった。
このままでは、いずれ上の圃場ごと落ちてくる。
クワを抜いたことで、斜面の“支え”がひとつ消えたのだ。

それでも、不思議と焦りはなかった。
ここには、最初から一つのイメージがあったからだ。

――竹で土をとめよう。

斜面に立つと、思いのほか抉れが深く、
剥き出しの土が寒風にさらされていた。
ひと息ついてから竹を一本、そっと当ててみる。
角度を探りながら、土と竹が噛み合う位置を探す。

さらに、アドバイスを受けて切り株を添えてみた。
驚くほどしっくりとはまり、
まるで最初からここにいたように斜面を支えてくれる。

土が落ち着くには、もう少し時間がかかるだろう。
落ち葉や残渣を、米ぬかテイストで投入していこう。

ここで、今日の作業は終わりだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました