イントロ
秋の気配が深まる南関東。
来春に向けたキヌサヤの芽が出始めました。
今年は少し工夫をして――「直播き」と「ポット育苗」の両方を同時に試しています。
畑の土にそのまま落とす“畝スタート組”と、ポットで温室のように育ててから畑に送り出す“育苗組”。
畑の準備が遅れたので、ポットが先にスタートしましたが、どんな違いが出るのか。
この比較は、自分の備忘録としても、家庭菜園を始めたばかりの人の参考にもなるはずです。また、この冬を超えてゆくマメは挑戦しやすく、春に花が咲き、夏野菜へのバトンも繋ぎやすいのでおすすめです。
直播き:マルチの下で静かに始まる発芽
種まき:11月3日
雨粒がのった真っ黒なマルチ。
穴のすぐ下では、キヌサヤのタネがひっそりと水を吸い始めています。ここから1週間くらいが、見どころです。
直播きの良さは、根が最初から“自分の家”で伸びられること。
移植のストレスがないので、うまくいけばしっかり太い茎になります。
ただ、秋のこの時期は気温の上下が激しいため、
「うまく発芽してくれるだろうか?」
という一抹の不安もつきまといました。
が、出ました。
あの小さな芽がマルチの穴からひょこっと顔を出してくる瞬間。
あれを見るために、毎日畑に通って、芽の確認をするのが楽しみになっていました。
ポット育苗:スタートダッシュの安心感
種まき:10月27日
一方こちらは、ポットに入ったキヌサヤの苗たち。
黒と黄色のポットに、それぞれ小さな双葉が広がっています。
土がよく乾く日でも水やりしやすく、雨が強くても苗が倒れない。
ポット育苗はとにかく管理がラクで安心です。
特に南関東の秋は、
「寒い→暑い→雨→乾燥」
と天気が揺れるので、手元に置けるのは楽かなと思ったりします。
植え付けまでに、根がしっかりまわってきたら畑へお引っ越し。ここが、最初の盛り上がりポイントかと思います。
寒い冬に入る前に軸を作っておくことが、春の実つきを左右します。
並行チャレンジの面白さ
同じキヌサヤでも、育て方が変われば、
成長のスピードも姿も微妙に変わります。
•直播きは“地力勝負”、自然まかせの豪快さ
•ポットは“親心いっぱい”、丁寧な育ち方
どちらも違って面白い。
この先の冬越しで、それぞれがどんな姿になるのか…並行チャレンジは観察ポイントが多くてワクワクします。畝は横並びにして、ふたつの成長を見比べられる配置にすることとします。
お弁当のちょい足しオカズのエース。
ベーコンと炒めたキヌサヤには、来年、ニンニクがメンバー入りしてペペロンチーノ風になることでしょう。

