■この記事の献立
場所:市民農園(鎌倉)
季節:2026年3月
気温:19℃(66.2℉)
作物:ジャガイモ
作業:観察(芽かき前)
背景:順調に発芽し、複数の芽が立ち上がってきた
関連:すべての種芋が目を覚ました|All Seed Potatoes Have Sprouted
■材料
写真:黒マルチから力強く伸びるジャガイモの芽
メモ:葉色が濃く、株元から複数の芽が確認できる
■芽かきの前に、少しだけ立ち止まる
3月の市民農園。
気温は19℃(66.2℉)。春の空気が一気にやわらぎ、畑の表情も明るくなってきた。
桜の花も満開に近づいている。
黒マルチの穴から顔を出したジャガイモの芽は、ここ数日でぐっと勢いを増している。
ひょろっと顔を出した芽は、気がつけばいくつにも分かれ、株元からそれぞれが競うように伸びている。
葉は大きく、厚みがあり、触れるとしっかりとした張りを感じる。
色も深い緑で、いまのところは迷いのない生長だ。
こうして眺めていると、どの芽も、このまま育てたくなる。
強い芽もあれば、少し外側に流れる芽もある。
だが、どれも同じように光を受け、同じように土の中から出てきた命だ。
黒いマルチを押し上げて、土の下から現れてくる。
毎年のことなのに、この瞬間には、やはり少し驚く。
それでも、来週あたりには芽かきをすることになる。
ジャガイモは、芽を残しすぎると栄養が分散してしまう。
その結果、地上部はにぎやかでも、土の中のイモは小さくまとまりがちになる。
逆に、芽を減らしすぎると、一つ一つのイモが大きくなりすぎて、扱いにくいサイズになることもある。
だから、数を絞る。
収穫するイモの大きさを思い浮かべながら、芽を選ぶ。
分かってはいるが、この段階でそれを想像するのは少し難しい。
目の前には「うまくいっている状態」しかないからだ。
むしろ今は、増えることが正しいように見える。
葉は重なり、影をつくり、風の通り道を少しずつ狭めていく。
このままいけば、きっと窮屈になる。
そう思える瞬間が、芽かきの合図なのだろう。
あと一週間。
もう少しだけ、この「にぎやかさ」を見ていたい気もする。
畑に立つ時間の中には、作業の前のこうした余白がある。
何かをする前に、ただ観察する時間。
その積み重ねが、判断の輪郭を少しずつはっきりさせていく。
来週、芽を選ぶ。
そのときも、きっと迷う。
きっと畝の前で、しばらくもぞもぞする。
Next week, I’ll choose the shoots.
I know I’ll hesitate again.
I’ll be standing there for a while, quietly fidgeting in front of the bed.


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