鍬を直して土手に立ち向かう|Fix the Hoe, Face the Slope

畑の余白(Margin)
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この記事の献立
■ この記事の献立
・場所:市民農園(鎌倉)土手
・季節:2025年1月
・作業:鍬の再生
・道具:替え柄・ハンマー・ペンチ
・背景:桑の伐根の最中に壊れてしまった鍬を修理して再び土手に立ち向かう話
・関連:レモンのための桑の伐根と土手の補修|The First Step in Creating a Lemon Orchard


作業の途中で、鍬の柄が抜けた。
土手の斜面に立ち、次の一掘りを入れようとした、その瞬間だった。

力を入れたわけでもない。
無理な使い方をした覚えもない。
ただ、気に入っていた道具が、今日という日に限って、静かに外れただけだ。
市民農園での作業で使用可の場合は必ず選んでいた鍬です。
角度が好きなのか、サイズが好きなのか、わかりません。
そういう道具です。

新しい鍬を買うことは、難しくない。
ホームセンターに行けば、同じような形のものはいくらでも並んでいる。
大船のコーナンには、あった。
けれど、自分が選んだのは、替え柄と呼ばれる【棒】です。

土手は途中だった。
桑の伐根を終え、土を戻し、形を整えながら、少しずつ前に進んできた場所だ。

鍬をばらし、抜けた柄を確かめる。
差し込み口に詰まった木片を取り除き、形を整える。
特別なことはしていない。
叩き込み、角度を確かめ、もう一度叩く。

直す、という行為は静かだ。
派手さも達成感もない。
ただ、元の状態に近づけるための、短い時間が流れる。

再び柄を握ると、手の感触は前と同じだった。
少し軽く、少し馴染んでいる。
「また使える」というより、「まだ一緒にいける」という感覚に近い。

鍬を担ぎ、土手に戻る。
冬の光が強く、斜面の影は濃い。
足場を確かめ、一歩ずつ登る。

直した鍬で土を掘る。
音も、手応えも、この間と変わらない。
ただ、ささやかに、気持ちと身体が前を向いている。

再生という言葉は、どこか大きい。

けれど実際には、しょぼいテンションの爆上げの連続。
壊れたものを捨てず、直し、また使う。
その先に、作業が続いていく。

鍬は直った。
土手は、まだ途中だ。
だから今日も、ここに立ち向かう。

Fix the hoe, face the slope.

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