さつまいもの育て方|荒地でも元気に育つコツ

はじめに

南関東の気候に合わせたさつまいもの育て方を紹介します。 市民農園の夏場の維持管理に活躍し、住宅跡地のように、やせた土地や再生途中の畑でもしっかり育ちます。夏から秋にかけて畑の彩りと手応えをくれる頼もしい作物です。

栽培時期と気候の目安
南関東では、5月上旬〜6月上旬に苗を植え付けます。 霜の心配がなくなり、地温が20℃前後に上がってきた頃が目安です。 夏の高温と乾燥にも比較的強く、日当たりのよい場所が向いています。

・4月下旬に芽出しを始めておくと定植がスムーズ
・地温が低いと根がつきにくく、初期生育が遅れやすい

土づくり
さつまいもは痩せた土地でも育ちますが、水はけと通気性が大切です。
植え付けの2〜3週間前に、苦土石灰をまいてよく耕し、 元肥には完熟堆肥を軽く混ぜる程度にします。
過剰な肥料は“ツルボケ”の原因になります。
葉が茂るだけで芋が太らない――そんな年もありました。

ふかふかした畝は、根がよく伸び、芋も形よく育ちます。
荒地の場合は、一度深く掘り起こして空気を入れることから始めましょう。

植え付け
30〜40cmの間隔で、苗を斜めに差し込みます。
“つる伏せ植え”が一般的で、節の部分がしっかり土に触れるように
活着するまでは軽く水をやり、葉が立ち上がったら水やりは控えめにします。

水をあげすぎず、見守るように育てるのがコツです。
私の畑では、ほとんど灌水しませんが、梅雨と根の力で十分に育っています。

ツル返しと追肥
7月中旬ごろになるとツルが畝を覆い始めます。
そのまま放っておくと、節から根が出てしまうので、 ツル返し(ツルを持ち上げて向きを変える作業)を1〜2回行います。回数は目安です。気になったらひっくり返す。
追肥は基本不要です。

おまけ
夏のあいだ、ツルが日差しから土を守り、根が土を耕します。
掘ったあとの畝は、ふかふかになっています。

収穫
南関東では10月中旬〜11月上旬が収穫の目安です。
試し掘りで芋の太り具合を確認しながら、晴天が続く日に掘り上げましょう。
掘りたての芋は甘みが少ないので、1〜2週間ほど日陰で乾燥(キュアリング)させます。
そうすることで、デンプンが糖に変わり、甘くしっとりした味になります。暮れぐらいまで待つのもあり。

保存と活用
乾燥後は、風通しの良い冷暗所で保管します。
安納芋や紅はるかは特に貯蔵向きで、1〜2か月後に甘みが増します。

掘りたてを焼くよりも、寝かせてから食べるのがいいかも。
秋の夜に少し焦げた香りが漂うと、ああ今年も育ててよかったと思います。

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