たまねぎの畝づくりの記録(2024_秋冬)

たまねぎ

畝以前

最初は、まだ何も手をつけていない畑の状態。
ただの土の広がりですが、ここから物語が始まります。

畝 1.0

まずはスコップで土を盛り上げて、最初の「畝」を形にしました。
まだ頼りない姿ですが、はじめの一歩です。

畝 2.0

さらに土を寄せて、畝の高さと幅を調整。
雨水の流れや根の張り方をイメージしながら、何度もクワを入れて改良を重ねました。
けれども、ここが本当に難しいところです。

とくにマルチ張りは悩ましい作業。
ピンと張れたつもりでも、風でめくれたり、端が浮いたりする。
少し緩むだけで水が溜まり、逆に苗を傷める原因になることもあります。
何度もやり直しながら「これで大丈夫か?」と自問する日々でした。

そして、いかなる効果があるのか――。
雑草を抑える、地温を保つ、雨で土が流れるのを防ぐ……と、メリットは多いとされるけれど、実際のところどれほど効いているのかは、まだ確信が持てない。
それでも私は、黒いシートを畝にかけるたびに安心してしまう。

畝 3.0

いよいよ完成形に近づいた畝。
まっすぐ整った姿には、すでに玉ねぎたちが整列しています。
小さな苗が並んでいる光景は、これから始まる成長物語のプロローグ。


後日談

実は、この年のタマネギは大失敗でした。
畝の形はきれいに整い、準備も万全のつもり。
牛糞を中心に土を改良し、水はけや肥料のバランスも考えながら、手間をかけて畑を仕上げました。

植え付けた苗はおよそ300株。
畝に整然と並ぶ姿を見て、「今年は豊作間違いなし」と胸を躍らせていました。
ところが、現実はそう甘くはありませんでした。

春を過ぎ、玉ねぎたちは思うように育たず。葉が倒れるころになっても、丸々とした姿にはならない。
掘り上げてみると、手のひらに乗るほどのサイズが少なく、結局収穫できたのはわずか30個ほどでした。

失敗の原因は、一つに絞れません。
水はけの問題か、肥料の効かせ方か、あるいは苗そのものの力不足か。
「畝はあんなに整ったのに…」という悔しさが残りました。

けれども、その悔しさが次の挑戦の原動力になりました。
「なぜ失敗したのか」を考え、次こそは土の状態をもっと丁寧に観察しよう。
雨の多い時期にどう対応するか、肥料の効かせ方をどう工夫するか。
課題が見えたことこそが、最大の収穫だったのかもしれません。

畑はいつも、うまくいくことばかりではありません。
けれども失敗を積み重ねてこそ、次の一歩が見えてくるのだと、この年のタマネギが教えてくれました。

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