タマネギの育て方|冬を越えて春にふくらむ

タマネギは、秋に植えて冬を越し、春の光の中でふくらむ野菜です。
少し時間のかかる作物ですが、そのぶん収穫の喜びは大きい。
南関東のように冬の寒さが比較的穏やかな地域では、無理なく育てることができます。

種まきから苗づくり

タマネギは、9月上旬から中旬にかけて種をまきます。
市販の苗を購入してもよいですが、家庭菜園なら育苗から挑戦してみるのもおすすめです。
日当たりのよい場所で、細い針のような芽が出てくるのを待ちます。
本葉が3〜4枚になったころが、植え付けの目安です。私は苗派です。一度だけ種からやって成功しました。

植え付けの時期とコツ

定植は10月下旬から11月上旬。南関東では霜が降りる前に植えるのが理想です。
苗の太さは「鉛筆より少し細いくらい」がちょうどよく、太すぎると冬にとう立ち(花芽)が出てしまいます。
植える深さは、白い部分が少し隠れる程度。深すぎても浅すぎても根の張りが悪くなります。
株と株の間は15cmほどあけて、黒マルチを敷いておくと雑草が減り、保温にも効果的です。

冬の管理

冬の間はあまり成長しません。
寒さで葉が少し黄色くなっても、心配はいりません。大丈夫かな?って不安になります。
北風の強い場所では、不織布を軽くかけておくと霜よけになるようですが、私は剥き出しです。
根が浮かないよう、株元に軽く土を寄せておくのもポイントです。結構、ギューっと押さえます。

春の追肥と生長

2月下旬から3月にかけて、日差しとともに葉が伸びはじめます。
この時期に1回目の追肥を行います。
葉が6〜7枚ほどになったら、もう一度軽く肥料を与えるとよく太ります。
このタイミングで養分をしっかり吸収できるかどうかが、玉の大きさを決めます。これが、難しい。

収穫のサイン

5月下旬から6月上旬、葉が倒れはじめたら収穫時期です。倒れたら合図という潔さが愛しい。
首の部分が細くなり、全体が倒れたら、晴れた日に抜きましょう。
抜いたあとは、数日ほど畑で乾かしてから風通しのよい日陰で吊るします。
すぐに食べるなら新タマネギとして、貯蔵するなら葉をよく乾かしてから切り落とします。

よくある失敗と対策

・苗が太すぎる → 冬にとう立ちする
これは、運。
・植え付けが遅い → 球が小さい
いつも、遅れがちで、慌てます。
今年は、タマネギ第一にします
・水はけが悪い → 根腐れや病気の原因
マルチを剥がすタイミング
・追肥が遅い → 春の生長が鈍る
忘れがち

畝を高めにして、風通しと水はけを意識するだけでも違うと言われています。
苗の植え付けとマルチ剥がしと追肥が大事かと考えています。

まとめ

タマネギづくりは、待つ時間の多い栽培です。時間がかかるので腕前と情熱が試されます。
けれど、冬を越して春にふくらむその姿を見ていると、自然のリズムと静かな生命力を感じます。
春風の中で葉が倒れ、玉が姿を現した瞬間――それは、畑に立つ人だけが味わえる特別なごほうびです。

カテゴリリンク>たまねぎ

コメント