はじめに ⇒カボチャ
ここでは、南関東の気候を想定したかぼちゃの育て方を紹介します。
南関東は春の気温上昇が早く、梅雨入り後は湿気が多くなるのが特徴です。そのため、苗の植え付けは春の安定した暖かさを待って行い、梅雨時の過湿や病気対策を意識することが大切です。
1. 土づくり
かぼちゃは養分をよく吸収するので、元肥をしっかり入れることが成功の秘訣です。
植え付けの2週間前までに苦土石灰をまき、30cm以上耕します。堆肥や完熟たい肥をたっぷり加えて、畝を高めに作ると排水性がよくなり、梅雨時の病気を防げます。
2. 種まきと苗づくり
南関東では4月中旬〜下旬にポットに種をまき、苗を育てます。
直まきも可能ですが、春先の気温が安定するまではポット育苗が安心です。発芽後、本葉が3〜4枚になったら畑に定植します。
3. 植え付け
5月上旬〜中旬が植え付け適期です。
株間は1.5〜2mと広めにとり、つるが伸びやすいスペースを確保します。定植後はたっぷりと水を与え、活着を促します。
4. 管理(つると雑草対策)
かぼちゃはつるが旺盛に伸びるため、敷きわらやマルチを敷いて雑草を抑えると同時に、実が直接土に触れて傷むのを防げます。
主つるを伸ばし、子つるを数本残して整枝すると実つきが安定します。
5. 受粉
南関東では梅雨の時期に雨が続くと、受粉がうまくいかないことがあります。
人工授粉を行うと結実率が高まり、収穫量が安定します。朝のうちに雄花の花粉を雌花につけるのが基本です。
6. 品種の選び方
えびす … 定番の西洋かぼちゃで、甘みが強くほくほくした食感。
くりゆたか … 保存性に優れ、貯蔵することでさらに甘みが増す。
バターナッツ … 南関東の気候でも育てやすく、ポタージュやグリルに向く。
7. 収穫
開花から40〜50日、果皮が固くなり、ヘタがコルク状に乾燥してきたら収穫適期です。
刃物でヘタを2〜3cm残して切り取ります。収穫後は2週間ほど風通しの良い場所で追熟させると、甘みが増して美味しくなります。
ワンポイント
南関東では梅雨時の過湿で病気が出やすいので、畝を高めに作るのがポイント。
敷きわらやマルチで雑草と果実の傷みを防ぐ。
保存性の高い品種を選ぶと、夏の収穫を秋以降まで楽しめる。
かぼちゃの実を守る工夫
かぼちゃは地面をはうようにつるを伸ばし、果実もそのまま土の上に転がります。
このとき、直接土に触れると水分や虫で果皮が傷んだり、変色したりすることがあります。そこでおすすめなのが、果実の下に小さく切った防草シートや板を敷いておく方法です。
- 地面の湿気から守る
- 接地面の腐れやカビを防ぐ
- 実の形がきれいに仕上がる
収穫までの間、ほんのひと手間ですが、果実の傷みを防ぎ、保存性もぐっと高まります。
